BLOG

未分類

母が亡くなった。
呼吸が浅くなっていると父から連絡があって、タクシーで病院まで。心筋梗塞の症状がでていた。考えていたよりも苦しそうな母がいた。息が切れて会話がままならない状態。
10月に足が動かなくなって、癌のステージ4と診断された。彼女は治療しないと選択した。足が動かないという現実を毎朝思う日々はどんなことだろうか。会う度、なんでこんなことに、いつまで続くんや、と言ってた。想像するしかできない、話聞くくらいしかできない。もっと話聞けたんとちゃうかと思う。

いつも元気で気丈にたくましくいてくれたから、足が動かないのは辛いけどこの状態で安定してもっと生きると勝手に思っていた。だから今度もまた持ち直すと思ってた。だけども、そのまま逝った。
最後の夜、呼吸が苦しくて、口が開いて喉が見えて苦しそう。ゆっくり息ができますように願いながら思わず息を合わせた。帰る時に、手をギュっと強く握ってきて、顔を見ると目をいっぱいに開けてくれていた。まるで何か証を残すような、手渡してくれたような。「ありがとう、ありがとうございます」と言った。私は「もうウトウトして、少しでもよく眠れますように。朝にまた来るからな」と言った。きっと薬が効いて朝は幾分楽なになっているだろうと思っていた。
翌朝、10時すぎに病院に着いた。ゼェゼェいう病室を想像して入ったら、すでにもう静かになっていた。目を閉じて静かになっていた。触るとまだ温かく、戦いを終えたという雰囲気だった。1日半くらい、心臓が止まるまでの壮絶な戦い。

最後の夜の母の力がとても強くて、本人は死にたいと思っていても体が死ねない、そういうせめぎ合いだったと思う。終わりの時のすごい力を見せられた。簡単に死んだりしない。野生の力のようなものが生きようとして頑張る。それと戦ってようやく死ぬ。産まれる時の意志や心が入り込む余地のない、圧倒的な野生の力と同じ事が、死ぬ時にも働くと思った。